ヒデの日記 hide's diary

考えたこと、登山

香港中国旅行6日目

11/24 
10:54 
 朝から今後の余地を考えて、こんな時間だ。とりあえずやることがある。
1.歯磨き
2.食事
3.航空券の手配
4.日記の打ち込み
5.写真の整理


12:46
 中国人の男と喧嘩してしまった。ホステルの洗濯機に前の人の服が入っていたので、取り出して自分の服を洗ったのだが、取り出して置いた台が汚くて気に入らなかったらしい。俺の時間を無駄にした、と怒鳴っている。しかし、見た感じそう汚そうには見えなかったし、そこまでの清潔さを求めるなら一泊690円のドミトリーになんて泊まるべきではない。その場所にふさわしい衛生基準というものがある。
 それで彼は、僕の服を途中で取り出して自分の服を洗っている。僕の方だってもう一度コインを入れて洗濯機を回す時間と金を無駄にされたのだ、と言い返したら、あとは水かけ論だ。今になってみればどちらが悪いというよりも、どこまで人に期待するか、という性格の問題だった。最後にはお互いに中国語と日本語でまくしたて合い、向こうが「ここは中国だ、中国語で話せ、さもなければこの国から出ていけと言われたところで頭に来て、クールダウンのためにフロントに相談に行った。なんだこの排外主義者め、一生ブロック経済やってろ。フロントのお姉さんに聞いたところ、なんでも彼は長いこと滞在していて、しばしば人と喧嘩するそうだ。人の良さそうな彼女は「人はみな違う考えを持っているから、お互いに受け入れ合う必要がある。こういうときは論争しないで、温和にいきましょう。」というアドバイスをくれた。その通りだ、僕が間違っていた。すぐに洗濯場に戻って、彼に謝る。すると「俺の時間と金を返せ」と少し涙ぐみながら言ってきた。そうだよな、喧嘩ってお互いに心に負担がかかるものな。申し訳なかった。
 僕の悪かったところはすぐさま闘争の態勢に入ってしまったことだ。向こうの殺気を感じて、Fight or flightの動物的な判断をしてしまった。次からは(多分明日か明後日くらいには似たようなことは起きるだろう、これは旅だ)温和な表情を保って対応したい。汚い(らしい)台に人の洗濯物を置いたことについては、感覚の問題だから次に生かせる反省はできない。丁寧にやりすぎると問題になることもある。
 良かった点は、破綻(つかみ合い)を迎える前にしかるべき人に相談できたことだ。僕もいくらか成長した。
 朝からこの問題で時間をつぶしてしまったけれど、得るものはあった。



13:39
 やはり、何がいけなかったかというと表情かもしれない。彼に出会うなり異変を感じて、眉間にしわを寄せていた。あそこで笑みを浮かべながらどうしたんだい、と話しかけていれば結末はかなりましだったと思う。今からもう少し笑顔で話しかける。


f:id:enjoyemotion:20181224163551j:image

14:40
 宿の近くの料理屋に入る。灰色のテーブルクロスが敷かれていて、けっこう高級そうだ。内臓の炒め物らしき料理とご飯を頼んだが、食べられずに出てきてしまった。冷えた内臓に青ネギが大量にかかったものが出てきて、冷えた生臭さがどうしても受け付けなかった。多分主菜として食べるべきではなく、複数人で頼んですこしだけ食べるものなんだろう。これから四川博物館に行く。


18:35
 四川博物館に行くつもりが、隣の公園をブラブラしてしまった。しかし、散歩しに来ている家族たちの写真がかなりの枚数撮れてうれしい。会心と言えるものもいくつかある。大ぶりのリンゴの皮をむくおばあさんは本当に素敵で、向かれたりんごのごつごつとした表面が中国のおおざっぱさをよく表している気がした。
f:id:enjoyemotion:20181224161150j:image

 腹が減ったので公園の出ぎわに芋を買って食う。台車に積まれた焼け石の上にずらりと並んだ芋は大きさがあまりにもばらついていて、カボチャ並みのものもあれば日本の芋と変わらないものもある。おばあさんが使い込まれた木の棒と分銅を天秤みたいにして、うまいこと芋の重さを計ってくれた。なるほど、こうやって売るのか。規格がおおざっぱならおおざっぱなりにみんな何とかする。肝心の芋は言葉が通じないせいで、ラグビーボールの子供みたいなやつを買わされた。
 食っている間におばさんが病院のパンフレットを渡してきた。その手つきに何か見覚えがあると思ったら、水切り石の投げ方だ。手首のスナップをつかった最小限のエネルギーで手当たり次第に渡してゆく。
 


 そして今また陳麻婆豆腐店に居る。ザーサイと豚肉の炒め物とタンタンメンを頼む。小さな茶碗に入ったタンタンメンが出てきた。花椒をこれでもかというくらい入れており、うまい。本当に好きだなあお前ら。炒め物も大変うまい。ピーナッツの風味と豚肉が卑怯なくらいに合う。驚くことに水気はさっぱりなかった。ザーサイに火を通すのは本当に難しく、ちょっと間違えると出てきた水分で出来損ないの料理が出来てしまう。けれども、さっき食べたいもがお腹の中にたまっており残してしまった。店を出て帰ろう。


19:41 バスの中で
 中国は何か違う!タイがあまり好きになれなかったのでアジア旅行は控えていたのだけれども、これならもう一度来たい。よく考えればタイが好きになれなかったからアジアは気に入らない、というのはおかしな話だ。
 バスの降りる駅を間違えたので歩きながら書く。二日前には恐ろしかったこの道も今はどうということもない。