ヒデの日記 hide's diary

考えたこと、登山

香港中国旅行5日目

11/23

11:06 電車内

 

 今日は朝から坊さんの自慰を見せられてしまった。こう書くと奇妙だがこうとしか言いようがない。あの後宿について、ドミトリーで横のベッドがチベット仏教の修行僧だったんだ。年は15才位に見えて、無邪気に僕に話しかけてくる。彼は英語は話せなかったけれど、その屈託のない笑顔にすっかりガードが緩んで、打ち解けた。プレゼントだといって、数珠をくれた。僕も昔寺で修業したことがあったので、何となく親近感を覚えた。

 今朝ドミトリーで10時くらいに目が覚めると、隣のベッドからしきりに翻訳ソフトを使って「友達になろう」「日本が大好き」などと呼びかけてくる。蹲踞の姿勢でこちらにスマホの画面を突き出してくるのが少し目障りだったので、彼のベッドに腰かけて話していたら突然僕の股間を触ってきた。なんて失礼なことをするんだ、と思ってにらみつけると、彼が自分の一物を出してしごいていることに気が付いた。

 うわっ、と声が出てしまう。なぜそんなことをしているんだ?しかも、でかい。起きた時から蹲踞の姿勢で尻のあたりをいじっていることには気づいていたが、てっきり尻が痒いのかとでも思っていた。多分僕が寝ぼけていただけで、起きた時からずっと致していたんだ。だとしたら致しながら僕に話しかけてくる?何故?とにかく今、目の前でチベット仏教の修行僧が蹲踞の姿勢で黒ずんだ高級バナナをしごきあげている。情報量が多すぎて対応できない。

 そうして固まっていたら、20秒ほどで彼は射精した。ベッドの上に広げてあるティッシュの上に吐き出した。期せずして最後まで監督してしまった...なんでこんなことが起きるんだ。15才位だったから気持ちはわかるけどさ。超えちゃいけないライン考えろよ。

 

 今はシングルルームでこれを書いている。怒ったが、全然反省していない様子だった。そのあとも僕と話したそうにちらちら見てくるので、フロントに言って部屋を替えてもらった。もらった数珠は埃まみれのベッドの裏に捨ててきた。


 

昼間は青城山という道教の聖地に行ったが、キリスト教専攻のぼくには特に面白いところもなかったので撮れた写真を載せる。

f:id:enjoyemotion:20181124231438j:plain中国のトウモロコシはでんぷんしつで、もちもちねばねばしている。あまり甘くない。

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修学旅行の中学生たちが写真を撮らせてくれた。みんなすごくいい表情だ。大人は恥ずかしがってなかなか撮らせてくれないけれど、学生は乗ってきてくれる。

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リンゴ飴もおいしい。日本のものよりリンゴは酸味が強く、砂糖の甘味に合う。

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 陳麻婆豆腐店に来た。おそらく本店だ。おばちゃんがビンに入った中国茶を雑に注いでくれた。

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メニューは中国語しかないのでよくわからない。麻婆豆腐を白飯と共に頼んだ。「なんでもおすすめをくれ」とも言ったが「味覚は人それぞれなんだからそんなことできっこないわよ、あんたバカね」くらいのことを言われる。

 

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 麻婆豆腐が来た。花椒の匂い。湯気が立っていない。冷えているのか?ほどなくして白飯が来た。一見して見た目は悪い。ひき肉は焦げついていて、食欲がそそられる外見ではない。しかしこの花椒の匂いが凄まじい。俺を食えと訴えかけてくる。レンゲでひとすくいして口の中に入れると弾けるように口の粘膜が刺激される。口の中が爆発したみたいだ。辛いんじゃない、ホアジャオの針みたいな香味が味蕾も喉も何もかも突き刺してくる。湯気が立っていないのはバカげた量のラー油で表面がコーティングされていただけだった。ご飯にのせてもうまい。豆腐とひき肉のうまみで飯が進む。しかしつらい!蓮華のひとすくいごとにエイ、と気合を入れて食わねばならない。こんなに一口一口に気合が必要な食事なんて初めてかもしれない。あんまり刺激が強くって、氷を店員さんに頼んだ。おばちゃんが固まりをぶちくだいたような氷を持ってきてくれた。口の中に急いで入れ、すぐに麻婆豆腐を食う。そうすることを強いられている。陳健一が草葉の陰でほくそ笑んでいる画が目に浮かぶ。

 僕は中国に来てよかった、成都に来てよかった。これで全て報われた。涙を流しながら、地団駄を踏みながら食う。そうしないとこの幸せを受け止めきれない。多幸感という言葉でしかこの気持ちは表現できない。今こうして書いていてもあの旨さに自分の文章が見合っていないと感じる。全然表現できていない。とにかく僕は今まで生きていてよかったし、もう面白いことはし尽くして人生は砂っぱらだなんて思っていたけれど、まだまだこの世に僕の知らない喜びはいくらでもあるということを陳麻婆豆腐は僕に教えてくれたのだった。